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DIGGING FOR GOLD

マルセロ・グティエレス(Marcelo Gutiérrez)は、コロンビアでは、南米で最も偉大なDHレーサーとして知られています。現在、GIANTのアンバサダーとして地元の人々のトレイル作りと、コミュニティの意識を高めることをサポートしています。

マルセロが初めてネイラの町を訪れてライディングしたのは、10年前のことでした。コロンビア中央部のカルダス県に位置するネイラは、マルセロの故郷マニサレスから車で30分ほどのところにあります。南米で最も成功したプロダウンヒルレーサーであるマルセロは、初めて訪れたときネイラのトレイルにはあまり興味がなかったと言います。

「現地で走ったけど、本当に残念なトレイルだった。厳しいことを言うつもりはないけど、これは真実だよ」とマルセロは語ります。

しかし、この10年間でネイラの状況は変化しました。ローカルライダー達が廃れたトレイルで自分の限界に挑戦している話を、マルセロは聞き続けました。地元の人たちが熱心に鬱蒼とした森林に覆われた高地の地形を掘って、新しいラインを作っているという話もありました。

偶然にも、今年はマルセロがネイラに戻るタイミングでした。プロのダウンヒルサーキットで10年を過ごし、国内チャンピオン11回、全米タイトルを3回、ワールドカップで4回表彰台を獲得した30歳のマルセロは、Giant Factory Off-Road Teamでのプロアスリートの仕事から、GIANTのアンバサダーに移行してレースから離れることになりました。そして、マルセロの新たなページが開いたのです。

「最初に行ったときは、大雨でコンディションが良くなかった」とマルセロは語ります。「でも、地元の二人と一緒に走ったらすごく楽しかったんだ。彼らはベーシックなハードテイルにすり減ったタイヤの組み合わせで、このトレイルをどうやって走ってるのか信じられなかったよ。滑りやすいパレットで作った多数のジャンプがあり、かなり大雑把なコースだったしね。最新のスーパーバイク TRANCE X ADVANCED PRO 29に新品のタイヤを履いていたけど、僕は苦戦したよ!でも、彼らは安定して楽しんでた。僕は彼らに『クレイジーだね!』って言ったよ。」

可能性はそこにありました。 下地はできていたのです。

ネイラのトレイルについて、マルセロに最初に連絡した人の一人は「ドクター」と呼ばれています。マルセロたちが手掛けたトレイルは、彼にちなんで名付けられました。

「単なるニックネームではなく、ドクターは本物の医者だよ。」とマルセロは語ります。「彼は教養があるし、興味深い話を持っていて、コミュニティを支援することが彼の目標なんだ。概してかなり若いコミュニティだから、彼は彼らをサポートしようとしている。勉強したり、善良な市民でいたり、家の手伝いをしたり、もちろんトレイルを整備したりすることで、彼らに稼いでもらおうとしているんだ。」

ネイラのトレイルを試走した後、マルセロと彼のスタッフは、誰もがより安全で楽しいライド体験ができるように、トレイルの改修に取り掛かりました。

「かなり自然なコースで、木製のジャンプ台や奇妙な形のリップがたくさんあった。」とマルセロは語ります。「長さは約2.3kmで、松林から始まってコーヒー畑を通って、最後はサトウキビ畑を通るんだ。」

ボゴタ近郊に住むタッキーブラザーズと呼ばれる2人の兄弟を筆頭に、マルセロは自分の知恵とトレイル哲学を地元の人々に伝授しました。目的は、地形の難易度とスリルを維持しながら、危険を減らして流れを加えることでした。

「たまに、より危険で走れないくらいの方が良いと信じてる人もいる。」とマルセロは語ります。「ワールドカップでは、ほとんど走れないようなコースを走ることもあるけど、それとは違う意味での難しさだ。スキルの問題ではなく、命の危険にさらすような中途半端で怖いものにはしたくない。幅40cmのコースを走るのと幅1.5~2mとでは、トレイルの可能性が違うってことを示したかった。土手や壁を使ったり、自然なジャンプを見つけたり、切り株など安全でないものを取り除いたりね。」

これが、最近のマルセロのモチベーションです。プロアスリート時代に自分自身の集中力を何年も高め続けた後、マルセロは新たな分野に手を広げています。

「それは恩返しであり、分かち合いであり、僕に多くのものを与えてくれたこの国のために最善を尽くすことさ。」とマルセロは語ります。「プロレーサーとして世界中を旅して、経験したことや学んだことを光栄に思っている。僕はこれらの地域社会で教え、共有することを今楽しんでいるよ。彼らの笑顔、そして感謝の気持ちを見ることが僕にとってのすべてさ。」

マルセロは、コロンビアのすべての人がTRANCE X ADVANCED PRO 29のような贅沢なバイクに乗れるわけではないことを知っていますが、スポーツの上達にはさまざまな方法があります。トレイルが進化すれば、ライディングも進化します。「誰もがより速く走りたいと思っていて、ここのライダーはハードテイルでも競争心があるんだ。ライダーの成長には、トレイルを良くするだけさ」とマルセロは語ります。

コロンビアでのサイクリング人口は間違いなく増えています。山岳地帯とトッププロロードレーサーを輩出してきた歴史があるこの国は、スポーツ全般を愛しています。近年では、エンデューロ・ワールド・シリーズのような大規模なイベントも開催されて、マウンテンバイクも注目されています。また、2019年のMTBマラソン世界チャンピオンのレオナルド・パエッツも、GIANTに乗るもう一人のコロンビア人レーサーです。

ムーブメントが起きている、とマルセロは語ります。「前例がないほどの人が、今ここで自転車に乗っているけど、マウンテンバイクのコミュニティは、まだそれほど繋がっていないんだ。このようなプロジェクトを増やして人々を結びつけることが僕の目標さ。我々が利用しているトレイルのほとんどは、もともとコーヒー農園までの作業道だった。この辺のトレイルの約90%は改造されていて、マウンテンバイク専用に作られたのはわずか10%だと思うよ」

地元のトレイルライディング仲間について、マルセロは、このシーンがどこまで、どのくらいのスピードで進んでいくかはわからないと言います。しかし、彼らにとって大きな目標を達成したり、自分の地位を高めたりすることが目的ではありません。「今、僕が望んでいるのは、彼らに最高のトレイルと、ライディング中の幸福を提供することさ。」とマルセロは語っています。

Rider: Marcelo Gutiérrez

Videography: Miburraonline

Photography: Santiago Cardenas

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